機能の充実度からサポートやデザインまで、Prottは魅力的なプロトタイピングツール - DeNA

Prottインタビュー Vol.8

Tim Prott-02 / 03 / 2016-Interview

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
デザイン戦略室第二グループ UIデザイナー 増田 直生さん
デザイン戦略室第二グループ UIデザイナー 和波 里翠さん
デザイン戦略室第二グループ UIデザイナー 中江 亮さん

DeNAさんでは、マンガボックスやFlatやさまざまな新規事業でProttをご利用いただいています。他のプロトタイピングツールとの違いやProttのよさについてお話を伺いました。

実用的な機能も「使ってみたい」と思わせる魅力も詰まっている

——本日お話いただく増田さん、和波さん、中江さんはどのようなプロジェクトに所属されているのでしょうか?

増田 僕は「マンガボックス」ともうひとつ、社外秘の新規事業プロジェクトを担当しています。

和波 入社してから、ずっと新規事業を担当しています。私も社外秘プロジェクトで……。

中江 すみません、僕も社外秘で(笑)。
でも、入社してからいまのプロジェクトに配属されるまでは、社内の人間と匿名で雑談できるアプリ「Flat」を担当していました。Prottを使い始めたのも、このときですね。

——DeNAさんは、増田さんを窓口として全社的にProttを使ってくださっています。

増田 僕は以前グッドパッチで働いていたこともあり、じつはベータ版のときから使っていたんです。
でも、当時はまだ今ほど洗練されていなかったため、Flintoと並行して使うに留めていました。それで、昨年の10月、正式にリリースされたものを使ってみたら「いいじゃん!」と感動して、社内の人に広めていったのがきっかけですね。

——「いいじゃん!」について、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?

増田 Prottのデザインそのものもいいし、「使ってみたい」と思わせる魅力があったんですよね。
マルチジェスチャー機能(ひとつのリンクで複数のジェスチャーが割り当てられる機能)など「欲しかった!」と思う機能が満載で、使い勝手は文句なし。
少し細かい話ですが、トランジションを選択する画面では、どういう動きをするのか矢印で表示してくれるでしょう? ユーザーのことを考えたつくりこみが細部まで行き届いていて、操作で詰まることがありませんでした。

中江 直感的に使えるし、細かい動作が充実していますよね。マルチジェスチャー機能は僕も多用していますし、ヘッダーを固定できたり、リンクを送るだけで他社の人とも共有できたりと、かゆいところに手が届くな、と(笑)。

増田 あと、ハロウィンのときにはアイコンがイベント仕様になったりして。遊び心も素敵だな、と思いました(笑)。
そうそう、一度サポートに連絡したことがあるのですが、即返信がきて驚いたんです。あれ、どういう仕組みなんですか?

——ユーザーがサポートデスクに連絡すると、Prottチームメンバーのスマホに通知が届くんですよ。それで、手が空いている人がその場で回答する、というわけです。

増田 へえー! それはすごいなあ。以前、海外のツールに問い合わせたときは問題が解決するまで一週間かかりましたから。それに、ちょっと無愛想だったりして(笑)。
日々使うツールだからこそ、このような形でサポートが機能しているのは非常に助かります。

——ありがとうございます! もっと使いやすくなるように機能やサポートも充実させていきますので、お楽しみに。

プロトタイピングツールのなかでも、とにかく使いやすい!

——もともと、プロトタイピングツールはご使用されていましたか?

増田 はい、前職ではFlintoを使用していました。

和波 私はPOPです。でも、ひとつのプロジェクトをチームでつくり上げることを考えると、Prottのほうが使い勝手がずっとよくて。

——チームで使うメリットが大きい、と。

和波 はい。はじめからメンバーごとにアイコンの色がわかれていたり、コメント機能が充実していたりと、「チームで使う」ことを念頭においた細かい配慮が散りばめてあるのが嬉しいですね。

——あ、コメント機能も活用されていたのですね。コミュニケーションはオンラインがメインだったのですか?

和波 プロジェクトが立ち上がった当初、メンバーがバラバラに離散していた時期があったんです。部屋どころかフロアも違ったので、なかなか口頭でコミュニケーションができなくて。

——ええっ! それは大変ですね。

和波 だから、チームメンバーは全員Prottアプリをダウンロードして、誰かがコメントを上げるとスマホに通知が届くように設定したんです。
「スペルミス発見」「修正しました!」というやりとりがチャットのようにできたことで、コミュニケーションのストレスはほとんどなくなりました。
以前使っていたプロトタイピングツールだと、別途メールやチャットツールでやりとりしなければならなかった。その手間を考えると、手軽さは雲泥の差ですね。

——中江さんはいかがですか?

中江 前職のウェブ制作会社でアプリをつくっていたときは、FlintoやInVisionを使用していました。そういったサービスと比べてみると、Prottは日本発のサービスとして安心感があるのも大きいですよね。言語的にもそうですし、先ほど増田が言っていたようなサポートの面もそうですし。

——なるほど。ところで、Prottを使ってユーザーテストをされる企業さんも多いのですが、DeNAさんも取り入れたことはありますか?

増田 あります。アプリをインストールしていただいて、モバイルで見ていただきました。
「このボタンを押すとこの画面に飛びます」と説明するより、実際に動くものを見たほうがイメージしやすいようでしたね。

——それは、全社的なデザインプロセスに組み込まれているのでしょうか。

和波 いえ、プロジェクトごとによってプロセスは違うんです。会社として統一せずに、プロジェクトごとに最適化されたプロセスを採択するようにしていて。

増田 現に、進行中の新規事業ではユーザーテストを入れたけれど「マンガボックス」では実施していませんし。

中江 そういう意味では、属人性が高い会社かもしれませんね。

他のプロジェクトからのUIのナレッジも吸収できる!

——お話できる範囲で、デザインプロセスについて教えていただけますか?

増田 現在、「マンガボックス」は機能の追加や改善のときに使用するのですが、まず「ユーザーのためにこの機能を追加/改善する」というゴールを決めます。
それから、必要な機能を話し合って、方向性が決まったら僕がワイヤーフレームをつくって、デザインまで起こす。そして、Prottで何パターンかつくるんです。

——何パターンか、ですか?

増田 ええ。たとえば、ボタンを押したとき、次のページにそのまま遷移したほうがいいのか、それとも1ページ挟んでから遷移させたほうがいいのか。
そういう遷移が絡む部分では2パターンつくって、目で確認してから意志決定するようにしています。

——おお、徹底していますね。

増田 いやあ、アイコンはどれがいいか、色はどれがいいか、といった動きにかかわらない部分であればそこまでしませんけどね。

和波 でも、「マンガボックス」のプロジェクト数は全社的に見ても異常に多いですよね(笑)。

増田 新しい機能を追加するたび、部分的に改修を入れるたびにつくっていますからね……。

——和波さんはPrott上でほかのプロジェクトの様子も確認しているのですね。

和波 そうですね。前職はUIを専門にしてはいなかったので、入社したときに「どういうノウハウがあるのだろう」と気になって。全部のプロジェクトを確認しました。

——全部、ですか!

和波 ええ、先輩デザイナーのノウハウやこだわりが凝縮されていて、かなり勉強になりましたよ。エンタープライズ版でよかったな、と思います。

Prottで「ものづくり」を変えてほしい

——では、Prottにメッセージをお願いします!

増田 日本のプロトタイピング文化を牽引しているサービスだと思います。Prottを使って、僕たちもよりよいサービスを生み出していきます。

和波 Prottが日本から世界に羽ばたいていくことで、世界における日本の「ものづくり」のポジションも変わっていくはず。さらに世界に広まっていくことを期待しています。

中江 海外勢に負けず、「プロトタイピングツールと言えばProttでしょ!」となってください!

増田 他社さんにも、心からおすすめしますよ。プロセスが劇的に変わりますから、とりあえず使ってみてください。

——ありがとうございました!