ゲームアプリもProttを使えば、2倍以上のスピードで、今までにないクオリティを目指せる

ProttインタビューVol.3 イグニス様

Tim prott author

Tim Prott-07 / 28 / 2015-Interview

株式会社イグニス
クリエイティブディレクター
藤野 貴之さん
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すべては「手戻りロス」への課題意識

—— IGNISさんは、ソーシャルゲームアプリ「ぼくとドラゴン」の制作においてProttをご活用くださいました。そのときの所感について、率直にお伺いできればと思います。

藤野 はい。Prottには本当にお世話になったので、何なりとお答えします。

—— ありがとうございます! では、Prott導入の経緯からお願いします。

藤野 Prottを導入することにしたのは、何よりも効率よく開発を進めるためです。私たちの場合、はじめから目指すワークフローがしっかり決まっていました。そのワークフローが目指すところは、「徹底的に無駄な時間を削る」ということ。PDCAサイクルを短く区切り、可能な限り短時間で品質を上げ、チーム全員が本質的な課題に向き合える時間を確保したい、そう考えていたんですね。

—— たとえば、どんな無駄があったのでしょうか?

藤野 前提として、ソーシャルゲームアプリは画面数がとても多いんです。ゲームが進めばフィールドは変わるし、戦闘画面、ステータス画面、会話画面などレイヤーがいくつもある。さらに、グラフィックのクオリティにもこだわるリッチコンテンツです。

—— ああ、普通のアプリとはそこが違いますよね。

藤野 問題は制作プロセスにありました。デザイナーがデザインを上げ、それに合わせてエンジニアが実装する。そして、実装したものをもとに動きをレビューする。そこで修正が入るとデザイナーに突き返される。この「デザイン→実装→レビュー→デザイン……」のループに多くの時間を費やしていたんです。画面数が多いから、積み重なると膨大な時間と工数を無駄にしてしまいます。

—— そこがボトルネックになっていたわけですね。

藤野 ええ。いつも「もっと楽して、クオリティを上げる方法があるはずだ」と考えては悶々としていました(笑)。ですから、弊社のほかのチームが「Prottというプロトタイピングツールを使っているらしい」と聞いたときは、とにかく試せるものは試そうと。

—— 実際に使ってみていかがでしたか?

藤野 本当に助かっています。いちばん大きいのは、やはり「デザイン→実装→レビュー→デザイン……」のループから脱せたこと。「デザイン→レビュー→デザイン→レビュー」を繰り返し、クオリティを極限まで上げたところで「実装」のステップに進めるようになりました。

—— もう、ほとんど修正の入らない状態で、エンジニアに渡せるわけですね。

藤野 そうです。この流れをつくることで、デザイナーは実装前の微調整の時間を確保し、エンジニアは未確定要素が多い中の実装の時間を削減できました。それぞれ本質的な仕事に取りかかれるわけです。手戻りによるロスが減ることで、結果的にクオリティに向き合えるようになった事がProttを使用した「ぼくとドラゴン」の開発における一番の恩恵だと思っています。

(↑実際のProttの画面)

Prottを使えば、「時短かつ高クオリティ」を達成できる

—— PDCAを短く区切るために、具体的にはどのようにProttを活用していましたか?

藤野 導入した段階で、朝夕2回、業務のワークフローに組み込んでいました。

—— おお、1日2回もですか?

藤野 はい。朝、デザイナーがProttでつくったプロトタイプをディレクターに見せる。そこで修正のフィードバックが入ったら、その日のうちに修正する。そしてまた夕方にチェックしてもらう、というプロセスですね。

—— うーん、すごい。1日2回のフィードバックって、「デザイン→実装→レビュー→デザイン……」じゃあ、絶対に無理ですもんね。

藤野 そうです。ボタンひとつとっても、「押しやすいかどうか」というユーザーの感覚に合わせた配置調整などは、実装後でないと難しかった。今までは、実装するまで問題を解決するどころか見つける手段がなかったですから。

—— たしかに

藤野 だから、完成度も当然低かったわけです。今思えば本当に時間を無駄にしていたな、と。

—— その問題は、Prottを導入してPDCAを細かく区切ることで解決できたわけですね。

藤野 そうです、そうです。「こうじゃないかな?」という思い込みで進行する時間を、極限まで短くできました。例えば、表現部分での時間のロス。デザイナーには全体の設計が得意な人と、アートワークが得意な人がいますよね。後者のアートワークが得意な人がUIを担当すると、大枠とは関係無い表現で悩んでしまう傾向があるんです。でも、ゲームの設計としては、まずは全体像から考えないといけません。細部の表現で悩むのは、全体の構成を決めた後でいい。

—— ええ、わかります。

藤野 でも、こうしたPDCAのワークフローをつくっておけば、どういうタイプのデザイナーでも悩まず制作できます。1日2回チェックのリズムもできますし、To Doもはっきりしますしね。

—— このPDCAサイクルやフィードバックのリズムは、Prottを導入してすぐに定着しましたか?

藤野 そうですね。Prottは誰からも何の反対もなく、自然とチームのサイクルに溶け込んでいました。それは、デザインが直感的で、「使い方に困る」ことがなかったのも一因だと思いますよ。

—— ありがとうございます。

チームのコミュニケーションも変わった

—— たらればの話で恐縮ですが、もしProttがなかったらどれくらいの工数が余計にかかっていたでしょう?

藤野 うーん、2倍では済まなかったと思います。とはいえ、リリースを延期させてまで2倍の時間をかけてクオリティを上げる、という選択肢はありません。必然的にクオリティを下げざるを得なかったでしょうね。

—— それはよく聞く話ですよね。リリース日という期限が決まっていると、そこから逆算するしかない、と。現在、Prottに関わっている方は何人いらっしゃるんですか?

藤野 設計担当のプランナーが4名、デザイン担当が3名、エンジニアが3名ですね。

—— コミュニケーションは、やはり社内SNSなどを活用されているんですか?

藤野 コミュニケーションツールやProttの「コメント機能」も使っていますが、基本は対面でのコミュニケーションを重視しています。

—— それは意外です。

藤野 コメントも便利ですが、文章だけに頼ると、言葉でしか伝えられない温度感等があったりするじゃないですか。最初はほんの少しだった「伝わっていない感覚」が蓄積されていってしまうと、後でとんでもない認識違いがおきてしまう事もあります。やっぱり顔を見て、お互い同じことを考えて納得していると確認することが大事と考えています。

—— 確かに、一つずつすり合わせていかないと、それこそ手戻りロスが増えてしまいますもんね。

藤野 そうなんですよ。Prottを使ってよかったなと思うのは、チーム内のコミュニケーションの質が上がった事も挙げられるかもしれません。UIのクオリティを上げるためのチームのコミュニケーションが、導入以前よりずっと活発になりましたから。

—— なるほど。

藤野 あと、コミュニケーションといえば、Prottの中の人とも簡単に直接やりとりすることができて、なにかと助かりました。サポートのチャット機能があって、気軽に質問もできる。それに、なにより……。

—— なにより?

藤野 Prottに対する想いをとても感じるし、熱いですよね。それもまた、「これからも使っていこう!」と思わせてくれます。

最後に

—— では、最後にProttに関して一言お願いします。

藤野 先ほど「ボタンの押しやすさ」の話をしましたが、「ぼくとドラゴン」の開発にProttが最も貢献してくれた部分は、ボタンやアイコンを作るといった部分的な問題解決ではありません。なによりも「ゲームの世界観と設計をフィットさせる」という全体を通じたクオリティに貢献してくれたことだと思います。又、開発から無駄な時間を削減し、それまでよりずっと良いワークフローでUIを作れる様になりました。設計プロセスの一部はまだPrott以外のツールを使っているので、早く移行したいですね。

—— 藤野さん、ありがとうございました!