Prottを使って約5営業日の効率化を実現!日本最大級のQ&AサイトOKWAVE 新機能開発プロジェクトの裏側

Prott インタビュー Vol.22

Tim Prott-11 / 15 / 2017-Interview

株式会社オウケイウェイヴ
コンシューマーソリューション事業部 コンシューマーソリューション部
プランニンググループ マネジャー
小林義忠さん

研究開発本部 デザイン室
和田ゆりかさん

コンシューマーソリューション事業部 コンシューマーソリューション部
プランニンググループ リーダー
高田真里さん

Q&Aサービスで有名なOKWAVEさんには、新しい機能の開発においてProttをご活用いただきました。今回のインタビューでは、具体的にどのように使っていただいたのか、そして新機能の中身についてご紹介しています。

たった3ヶ月で新機能を開発!

──まずは、OKWAVEのサービス概要についてお聞かせください。

小林 日本初で最大級のQ&Aサービスです。あらゆる悩みや疑問を投稿するとそれを知っている人から回答がもらえて、自分の悩みを無料で解決することができます。

Q&Aを通じて、ありがとうをたくさん生み出していくことを目指しているサービスですね。

──新機能を開発されていると伺いました。

小林 新たな挑戦として、これまでにない機能を開発しています。

これまでは、公開されたQ&Aで人々の悩みを解決することをしてきました。しかし複雑な悩みや個人が特定されてしまう可能性のある質問を投稿するのは、いくら匿名とはいえインターネット上の公開はためらってしまいますよね。そこで、非公開でQ&Aができるような機能を追加しました。

──具体的に教えてください。

小林 これまでのように質問が公開されるのではなく、回答する人が限定され、一対一の非公開でのQ&Aができるようになります。今まで躊躇してきた人が詳しい情報を伝えることができるので、的確な回答から深いレベルでの解決を実現できればと考えています。

公開型とは違い、ある程度回答者に負担のかかる機能なので、質問者からお金をいただいて、回答者さんにお支払する形になります。また、回答者は専門家が参加して、詳しい回答を得られることができるようになるのです。そういった課題解決を通じて“ありがとう”を生み出していきたいと考えています。

OKWAVE 非公開Q&A 11月9日ローンチ。PCからスタート。追ってスマホ対応していくとのこと)

──非公開のQ&Aというのは他社にあるのでしょうか?

小林 スキル販売などをしている似たようなところはありますが、Q&Aサイトとして非公開で答えるというものはおそらくないと思います。

──公開型と非公開型だと違った体験のサービスになると思うのですが、具体的にどのような点が違いますか?

高田 公開型だと、職場の人間関係や学校の情報を詳細に書いてしまうことで特定されてしまう恐れがあったんです。給与明細のことを細かくネット上に出すこともためらわれますよね。

非公開型だと、ネット上でオープンに公開されることがないので、家族構成だったり給与明細を書いても個人情報が守られ、安心にお使いいただけるようになるのです。

小林 詳細情報を書いていただく形になるので、セキュリティの面は特に気をつけて開発を行いました。

和田 デザイン面でも、公開Q&Aと非公開Q&Aでは違う空間だというのを見た目で変えています。「この回答者がしっかりと答えてくれる」ということをわかりやすい形にし、と安心感を持って質問ができるようデザインしました。

(非公開Q&Aの質問入力画面。完全非公開だということが強調されている)

どのような質問をしたら最短で回答をもらえるかということを伝えるために、例を載せて書き方のヒントにしてもらえるようにもしましたね。

Prottにより5営業日ほどの時短に!

──非公開Q&Aの新機能の開発について伺いたいと思います。まずは開発チームの構成を伺いたいです。

小林 企画が私と高田の2人、デザイナーは和田ともう一人、エンジニアは15人というチームでした。

──どれくらいの期間で進められたのでしょうか?

小林 今年(2017年)の8月からプロジェクトを開始しました。他のプロジェクトでも3ヶ月くらいで進めることが多く、今回の開発も同じく3ヶ月ほどでした。

──3ヶ月は早いですね!今回の短い開発期間で、Prottを使うことになった経緯を教えてください。

和田 ルート(ユーザーの動き)が複雑になると思ったので、開発する中で画面の抜け漏れが発生するのではないかと思っていたんです。メンバー間で共有をして、前に進めていくためのツールが必要ではないかと思い、Prottを使い始めました。

高田 質問者・回答者側の動きもこれまでの公開Q&Aとは違って複雑になるため、今まではExeclでやっていたのですが難しいよねという判断をし、Prottを使うことにしました。

──実際に使ってみていかがでしたか?

和田 ルート確認のために使ってみて良かったです。Prottを介してチームで話し合うことができたし、他社の人にレビューをしてもらうために見せに行ったときもわざわざ資料作らずProttだけで済みましたし、とても時短になりましたよ。

高田 エンジニアの人たちやFAQを作成している部署に説明するときに役立ちました。ユーザーサポートを担当している人たちに伝えるときにも、まだ本番の画面がない中でProttを見せて説明できたので、作った後の活用もできましたね。

──マネジメントの立場としてはいかがでしたか?

小林 上長にプレゼンをするときに説明しやすかったです。メンバーがいつでも最新にしてくれていたので、とても助かりました。

非公開Q&Aの場合、一つの非公開ページだとしても、質問者が質問したあと、回答者が回答した後、課金した後、によって様相が変わってくるんですよ。「質問者が質問したらこういう文言ないと不安になるよね」とか「こういうデザイン上の工夫をするといいよね」といった共通認識が持てたんです。それをPrott上で一連の流れ見られるのがイメージしやすく、良かったです。

──Prottによって解消された問題はありますか?

和田 デザイナーの立場からすると、無駄な作業が省けるところが助かりました。普段だと、社内で見せる用に、パターン別にそれぞれコーディングをしたものを作成する必要があったのですが、Prottを使えば見せて伝えるだけでできたので、納品するものと見せるものを別に置いておくことができたんです。

──体感としてはどのくらい時短になりましたか?

和田 Prott無しで納品していたとしたら、数枚分のコーディングから修正作業も含めて5営業日くらい変わったんじゃないかなと思います。手を動かす時間が減ったと感じています。

暖かみのある課題解決へ

──他のQ&Aサービスに対してOKWAVEさんの強みはどんな点にありますでしょうか?

小林 きちんと解決して、感謝が生まれるコミュニケーションを作っていこうとしている点です。匿名で質問したはいいけれど、傷つくことを言われてしまったというケースもあると思うんです。安心して悩みを相談でき、暖かく解決してもらえる場所であるというのが強みだと考えています。

──確かに、Q&Aサイトを見ていて「なんでそんな書き方するんだろう」と思わざるをえないような辛辣な書き込みを見ることもあります。“暖かい解決”ができる場所を実現するために、具体的にされていることはありますか?

高田 私たちはサポート力を売りにしていて、例えば人を傷つけるような投稿があった際には、その投稿自体を削除しているのですが、ただ消すのではなくきちんと理由を伝えてコミュニケーションを取っているのです。「OKWAVEは課題解決を通してありがとうを生む場なので、こういう発言はお控えくださいね」という形で、せっかくOKWAVEを選んで投稿してくれたユーザーを突き放さずにコミュニケーションを取っています。

あとは、回答ごとにありがとうを付けられる設計にしていたり、一個一個の投稿を見ていく専任のチームもいますね。

──今後、実現しようと思っていることを教えてください。

小林 匿名でも個人情報が漏れてしまうといったユーザーからの不安を聞いたことがあるので、課題解決でありがとうを生んでいくためには、新たな手段を用意することがよりユーザーのためになると思いました。

また、OKWAVEには多くのQ&Aで培ったたくさんの知識が蓄積されています。今後はその価値を世の中に広めていきたいという大きな取り組みを考えています。我々は“知識流通”と呼んでいるのですが、知識に価値をつけて見える化し、価値を移動させていく。今回だと課金をするといった形でしたが、知識の流通をもっと行なっていきたいです。

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色々なQ&Aサービスにおいて、匿名性を武器に質問者に必要のない厳しい意見を浴びせているケースを何度も目にしたことがあります。OKWAVEさんは「暖かい課題解決」を目指して地道な努力をされていたりユーザーのことを考えて新機能を作ったりされていて、とても素敵だなと思いました。

そのような素敵な思想のサービスにProttが役立ったと伺えて嬉しく思います。